テンペラ画をご存知でしょうか?
簡単に言ってしまえば油絵の具が発明される前の西洋画の古典技法です。
卵黄と岩絵の具をすり混ぜて行くこの技法はお菓子作りにも共通する材料や器具が多く、
前から興味があったのですがこの技法の勉強が出来る所が限られていてなかなか時間もとれずにいました。
もうかなり前の事、美術館でこの技法のワークショップがありました。
思い切ってそれに参加。40人いた受講生の内、8人が今も勉強会をしています。
私もなんとか入れてもらってはいますがなかなか月に1回が通えません。
でもこの絵の仲間は皆さん素敵な方ばかり。人生の先輩の言う事は深く、絵も深い。
最高齢のMさんはほんとうにお元気な91歳です。
彼に「あんた、細い筆で猫ばっかり描いてないでもっと大きく色を使ってごらん」と
言われ続けてもう4年位・・・。
相変わらず皆さんが3号、5号を4枚位仕上げるあいだに私はサムホール1枚がやっと。
しかもちかごろはどんどん小さくなって来て蒲鉾板サイズになってきました。
大胆な構図、斬新な発想からはかけ離れて行くばかり。
左がMさんの絵、アルミの細い紐を張っています。ほんとうに斬新、面白い!
右はもうプロといってもよい、Kさんの絵。イタリアの古い地図を皮にかいてあるものの葉書です。本物の方が数倍よいので今度撮らせてもらいます。先日表参道で個展をされたばかり。
でも絵を描くのはただ、楽しい。
これから美大を目指そうというわけもなく、ただ好きな絵を好きな色で描く楽しみ。
なんとシアワセな時間だろう、と思います。
この仲間がおやつの時間にはいつも逸品をたくさん下さるのです。(お昼を挟んで1日描いているので)
おかげさまでかなり舌が肥えてしまいました。
そのお礼も兼ねてたまには美術館以外で会おうと今年は家で新年会をしました。
講師のS先生も参加してくださっておしゃべりも弾みました。
先輩方は食べ物に関してもかなりの物知り、何にしようかなーと思いましたが年配の方がほとんどなのでここは正統に和食を用意しました。
そのうちの一品が上のお稲荷さんです。
私の本職はデザートなんだからと開き直り、もう半ばヤケクソの選択です。
このお稲荷さんは5cm位の一口サイズ、お客様にはよく作るメニューです。
形が小さいだけで印象がかなり変わる、料理って面白いなあと作る度思います。
友人、知人がブログを見てくれて、餃子がすごーく美味しそうだったねとよく言われます。
そう言えばサバ寿司の時も反響がよかった。
なんでみんなおかずばかりをほめるの?
私、お菓子屋なんですけど。