研究科のパンドジェンヌ。
派手な色合いではないけれど茶色のコントラストが粋なお菓子です。
私はこのお菓子を見るといつもウリ坊を思い出す・・。
作り方はいたって簡単なのですが目指す味がわかっていないで適当に作るとつまらないお菓子になってしまう危険性が高い。
実際2組に分かれて作って1組が粉を入れるのを忘れて先にバターを入れてしまいました。
軌道修正は出来るはず、と出来る限りの工夫をして焼いてみた所・・・。
出来上がってみたら膨らみも高さもこちらの方が良く、見た目は良いのです。
しかし、しかし。
試食してみました。全員が「違う!!」
空気が入りすぎていて味がぼやけています。
正しい作り方、混ぜる回数を守って作ったパンドジェンヌとは一線を画すものでした。
「お菓子は膨らめば良い、膨らめばおいしいではないです」といつも言っていること、今回はすごく良くわかってくれた・・・と思います。
失敗って大切です。特に教室で失敗してくれるのは歓迎。
対処法も覚えてもらえるし、比較対象があるから目指してほしい味がより理解出来ると思います。
初心者クラス・中級者クラスはキャトルキャール(パウンドケーキ)を2つの作り方で作りました。粉、卵、バター、砂糖がすべて同じ分量のお菓子。
お菓子作りが好きな方ならどなたも作ったことがあるはずです。
しかし、このお菓子も美味しく作るのは結構むずかしい。
なぜならこちらも失敗しても結構きれいな形に出来てしまうのです。
食べても「まあまあかな〜、こんなものかな」って。
それを「これはおいしい!」と思えるようになってほしいです。
今季の初心者クラス、お菓子の出来が良く私は少し驚いています。
4つの材料が泡立て方、混ぜ方、焼き時間を変える事で手品のようにいろいろなお菓子が生まれます。その入り口がこのお菓子かな、と私は思っています。そしてそれは出口でもあるのかな、とも思います。
ちなみに我家ねこの2男、キャトルちゃんの名札にも「Qatre-quarts 」と刻まれています。
キャトルキャールの意味は4/4。
彼を保護したとき、猫の平均寿命のちょうど1/4位の歳でした。
死んでしまうと思う程痩せていて、どうか彼があと3/4の残りの人生(猫生?)を全う出来ますようにとこの名前を付けました。
名前が良かったのか生命力が強かったのか今では他の誰より太っ腹で豪快な猫生を楽しんでいます。
8/4くらいの名前が正しかったかもしれません。