三連休の始まりの日だというのに車で鎌倉に行ってきました。
みなさんが口を揃えて「道が混むから車は止めた方が良いですよ」と言ってくれたにも関わらず。
ダルメシアンを連れて江の電には乗れないので車で行きました。
混んだ。永遠に着かないのではないかと思うほど遠かった。
その上、余りに渋滞が続くので家のご老体シトロエンが悲鳴をあげました。こんな混んだ一本道でオーバーヒートしたら何百人もの人に迷惑がかかる!
と慌ててクーラーを止めたら今度は犬が悲鳴を上げはじめました。
このような場合は。
トランクにあった予備のペットボトルの水を犬の頭から浴びせてうちわで扇ぎました。
犬は汗せんがないので風をあてただけでは体温を下げられません。冷やすしかないのです。でもクーラーは使えない。そうなったら気化熱を頼るしかない。水をばしゃばしゃ浴びせてばさばさ団扇で扇いだら水が蒸発する時に熱を奪う原理で表面の温度が下がり、ひどくハアハア呼吸していたのが止みました。
同時にこちらが扇いだ運動によりひどくハアハア呼吸することになり、余りに暑いので私もついでに水を浴びながら渋滞にはまっていました。
まったく。鎌倉に行くんだからと一番大事にしているシャツを着てピアスも付けて来たのにずぶ濡れで目的地に着きました。もうヤケクソです。
その上往路だけで余りに時間を取られたので食事をとる時間はなくなりました。ウーと一緒に海岸のレストランに行ってシーフードを食べようか、鶴岡八幡宮の近くのカフェの方が美味しいかな、なんて優雅に迷っていたのに。
夕方、藤沢のセブンイレブンで豚まんを犬と分けて食べました。
これはこれで空腹だからめっちゃ美味しかったが心残りですよ、海岸のシーフード。
鎌倉は家を見に行ったのです。前から気になっていた変な物件ばかり扱う不動産屋さんのサイトで見て一目惚れした森の奥の家です。
私は昔から安定志向ではなく、常にここではないどこかに動きたい願望があるのです。
最近また引っ越したい熱が上がって来ていて、思いたったら今日時間が取れたので矢も盾もたまらず無鉄砲に出掛け犬共々水浴びしながら車に乗っていた訳です。
そして結果は。
今回は見送りになりました。
ここには書ききれないほど面白いエピソード満載の家探しだったのですがとりあえず見に行った家は家に到達するまでに(駐車場から家のドアまでたどり着くまでに)アトラクション並みの仕掛けがありすぎて。
家までのアプローチの階段は落ちたら間違いなく誰か死ぬ(不動産屋さんか私か家人か犬の誰かが)勾配で→決して大げさではない。ウーは家人が抱いて上り下りしました。
吊り下げられ目が泳いでいる犬と落とすまいと必死に支える家人。それを下から見ていたら、毎日命がけで家の出入りはなあ。この歳からは出来るならしたくないからなあ。ここに住んだら犬の散歩は1ヶ月に一回だなあ、と思った。
ボクちん、命がけで登ってきたです。(命がけで君を抱いて登って来たのはおとーさん)
階段を下り駐車場に着いた時に携帯が見当たらなかったのですがあそこに戻るくらいなら買いなおす、と間髪入れずに思った。
何軒か見て廻りましたが普通の物件はなかった。さすが変わった探し主?不動産屋さん?
こちらの純日本家屋も良い感じでした。向こうに見える門扉の壊れ具合が良いでしょ?
しばらくは行きたくないけど間違いなく面白かった。
鎌倉は奥が深い。
家に住む、暮らすという概念が根本から今揺れております。
そして今回過酷な家探しを終えて国分寺の我家に帰って来て私は初めて、車を置いて玄関まで命の危険を感ぜずに行ける、ふつーに暮らせるこの家に感謝の気持ちを持ったのでした。
この家はかなり住み心地が良い、と温かい気持ちになれました。
それだけでも行って良かったかな。
いや。まだまだこれから。
世界は広いのだから。きっとここではないどこか。面白い土地が私達を待っている・・・気がする。