不動産屋さんと巡った家は5件。
恐ろしいほどの急斜面を後ろのご老体車を気遣って非常にゆっくりと登る先導車のパジェロに何度ぶつかってあげようと思ったことか。完全に親切が仇になっています。こんな斜面でブレーキをかけたら最後谷底に落ちるというものだ!
おかげさまで鍛えられ、どんなに良い物件でも急斜面を登る必要のある土地はリストから外す知恵がついた。
いっそ絞る手間が外れて好都合です。
今回は買うには至りませんでしたが選択肢の候補として充分考えられる物件でした。
楽しみを兼ねこれからゆっくり考えて探して行こうと思います。
冬は家の車では来られないので4WD車に買い替える必要があり、2CVをこよなく愛する家人にはハードルは高い話しではありますが。
さて。軽井沢です。
不動産巡りを終え、街中に戻ってお茶を飲んでひと休み。
老舗の喫茶店、ミハエル。ロシアの方がオーナーで、レアチーズケーキとロシアンティーが有名です。テラスでウーも一緒に。隣になった老婦人達のグループにイケメンだと写真を撮られ、ほめられ、もう帰っちゃうのと名残惜しまれ、モテモテの犬でした。
ロシアンティーなんて紅茶にジャム入れただけでしょう?と思っていたのですがこれが美味しかった。やはりこれも気持ちがこもった味です。スグリのジャムが紅茶に良く合い、忘れられない美味しさでした。
そしてスーパーツルヤでお買いもの。このスーパー、軽井沢に行く時の大きな楽しみを締めていると言える程、お気に入りの場所です。
別荘の方も対象にしているので果物や乳製品も多く、ワインやジャムも豊富です。
ウーが食べるヨーグルトやフルーツ、ペリエやおやつをここで買うのも楽しい。
そしてこちらも恒例、ミカドコーヒーのモカソフトをウーと3人で食べます。他のお店では長蛇の列のモカソフト。この支店は穴場で空いています。
溶けるでし。早くくれるでし。
今夜の宿はきれいなコンドミニアムです。
部屋にダルメシアンの版画がありました。
ベッドの上は乗ってはいけませんという決まりはあるものの、カバーをレンタルすれば良いですよというやさしい掟なのでした。もちろん借りたので早速乗っていますが大丈夫です。
ウーにとっては「飼い主と一緒のベッドで寝る」が旅の大きな楽しみなのは間違いありません。もう嬉しくて嬉しくて。尻尾がちぎれんばかりです。
ゴロゴロしましょうよ〜。しませんよ、さ,出掛けましょう。
シャワーを浴びたら今回の旅の一番の目的のレストランに出掛けます。
「Fogliolina della Porta Fortuna」
普段は1日1組しかとらないイタリアンですが夏の間だけトラットリア「アルペリーニ」として数組予約が出来るそうです。
ここは食にそれほど興味がある訳ではない家人が「ここに行ってみたい」と言ったレストラン。それは行かないと、と2ヶ月前に予約をしました。
涼しいのでウーは車の窓を開けて駐車場でお留守番。見えるから大丈夫と思っていたのですがこの後大変なことになります。
オープンテラスで気持ちの良い食事でした。しかしこの空。
前菜のお皿ですでに遠くで雷が鳴っていました。
このガッサータは懐かしい。イタリア旅行中毎日飲んでた。空になった瓶に噴水の水を入れて飲んでいたらイタリア人から「お腹を壊すからやめなさい!」(たぶん)と言われた思い出の水です。
前菜2種、パスタ、メイン、デザート、エスプレッソの軽いコースでした。
秀逸はこのパスタ。「フレーグラ」というショートパスタでアサリとウイキョウと一緒に。これには唸ってしまいました。なんでこんなにおいしいの。
さて、メインは2種。どちらも炭火で焼いてあります。
この頃から雨がぽつぽつし始めました。鬼才・小林シェフがビニール傘で給仕をしてくれるなんてスペシャルだよね、とここまでは笑っていたのですが。
この後からがすごかった。
私の人生の中でもこれ程の雷、大雨、突風は初めてかも。すぐ近くに落ちる。こうなるともうお祭りに近い。軽井沢って山なのねと再認識。
そうなのです。ウーのいる車まではすぐそこなのに近づけないという状態。アヤシくなってきてすぐに窓は閉めに行っていたのでホントに良かった。恐がっているだろうなあとは思うのですがもう水しぶきで車はまったく見えない。シェフの声も雨音で聞こえません。
デザートはガーデンから屋根のあるテラスに用意されましたが夏なのでマチェドニアやジェラード等冷たいものばかり。脚元から寒くなってきて参りました。
それでもエスプレッソまでしっかり楽しみしばらくは待ったのですが一向に雨脚は弱まらず。
今車に行っても運転出来ないから、とは思うのですが犬がどれほど不安かと思うとこれ以上は無理、と土砂降りの中車まで走りました。
その時のウーの声。「なにしてたでしか〜。ウーちゃんひとりで雷すぐそこに落ちてたでしよ〜。こわかったでしよ〜」とはっきり文句を言いました。いや。これは一席ぶちたくもなるよ。すまんかったね。
犬をなだめて車を発進。
しかし、ここからもすごかった。
中軽井沢の中腹にあるレストランなので軽井沢まではずっと下り。ワインディングロードです。この曲がった所が川になってる。曲がる度律儀に川がある!もう笑っちゃうほど水浸しです。
シトロエンは幸い車高は高い。これ、外から見たら絶対漫画だよと思うほどの水を撒き散らかしひたすら走りました。
軽井沢まで戻ると小雨です。南から北に渡るトンネルが潅水しているんじゃないかとこわごわ走ったのですが全然大丈夫。拍子抜けしました。後から聞いたら中軽井沢、追分辺の局地的雷雨だったそうです。
この夜はバスタブに熱いお湯を張って温まり、ゴロゴロタイムもなしで3人倒れ込む様に寝たのでした。
明日は楽しみにしていた朝食専門店「CABOT COVE」に行く予定です。朝早く起きられたら、ですが。